腎臓教室 Vol.55

アンケート調査より

腎臓サポート協会では、毎年10月、会員の皆様にアンケート調査のご協力をお願いしています。今回は270名の方から回答を頂戴しました(2010年11月末日現在)。その結果の一部をご紹介いたします。

病気や治療についてご存知ですか?

 アンケート回答時には「CKD(慢性腎臓病)」「血液透析」「腹膜透析(CAPD)」「腎臓移植」は、9割を超える方々がご存知でした。また、「腹膜透析(APD)」や「在宅血液透析」についても、8割の方がご存知と回答されました。入会当時には、「腹膜透析(CAPD)」54.8%、「腹膜透析(APD)」28.5%、「在宅血液透析」29.6%でしたので、入会後に各治療についての認知度が上がっています。

役立っているものは「そらまめ通信」

 協会の活動で役立っているものについては、「そらまめ通信」が9割を超える方から役立っているとの評価をいただきました。
 とくにお役に立っている記事は、1位「対談」、2位「診察室から」、3位「会員の声」。「対談」については、大変多くの「励みになる」「参考になる」「自分もがんばろうと思う」という声の中、「元気すぎる方の話はかえって落ち込む」「自分と違いすぎて参考にならない」というようなご意見もいただきました。
 ご自身の状況と比較して、元気な方の姿が負担に感じられるのでしょうが、みなさん、「なぜ自分だけがこんな病気にとりつかれたのか」と落ち込んだ体験を乗り越えてこられた方々です。透析という現実を受け止め、受容した先輩方からのメッセージや貴重な体験を参考にしていただければ幸いです。
 なお、「そらまめ通信」で今後取り上げてほしい項目としては、「検査数値について」「患者さんの体験談」「日常生活の注意点」が多く挙げられました。今後、できるかぎりご紹介したいと思います。

今、不安に思っていること

 今回は、現在、会員の皆様が不安に思っていることを伺いました。
 透析導入前の方々は、「病気の進行」と「透析」について共通の不安をお持ちで、多くの方が「いつ透析になるのか」「透析だけは避けたい」という不安を抱えていらっしゃることがわかりました。もちろん、保存期の治療が順調に運び、透析にならないにこしたことはありません。しかし、透析を先延ばしにしすぎるあまり、体調が悪化してしまっては本末転倒です。
 また、透析になったからといって、これまでの生活をすべてあきらめなければならないものでもありません。不安の中には、「透析をはじめると5年しか生きられないと聞いた」というような誤った情報からくる漠然とした不安も見られましたので、まずは正しい情報を得ることが大切と考えられます。
 現在透析を行っている方の不安としては、体調や合併症のこと。移植をされた方は、移植した腎臓がいつまで働いてくれるかなど、みなさんそれぞれに様々な不安を抱えていらっしゃることがわかりました。

情報の入手先は?

 「病気や治療についてどこから情報を入手していますか?」の問いに、9割近くの方が「医師」と回答されました。それに比べ、「看護師」は35%、「栄養士」は27%と、医師以外のスタッフからはあまり情報を得ていないことが伺えます。
 不安事項の中には、医療スタッフに相談することで解決できるものもあると思いますが、忙しい医師に時聞をとって話を聞いてもらうことは難しいかもしれません。そのような時には、ぜひ看護師さんや栄養士さんにも相談してみましょう。
 協会としては、病気や治療について、きちんとした知識や経験者の声をお届けすることで、みなさんの不安が少しでも軽減されるよう願っています。たくさん寄せられた皆様の不安や悩みに関しては、今後の誌面づくりの参考にさせていただきます。

アンケー卜にご協力いただいたみなさん、誠にありがとうございました。今後も、ぜひみなさんの声を協会までお寄せください。

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